過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」
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7:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2011/01/26(水) 20:31:39.83 ID:KPu69xg30
困っているのは口調のなのはその柔らかく緩んだ表情でも十分に伺える。
嬉しさを抑え切れぬ掠れた低音は、側で聞いているだけの絹旗までどきりとしてしまう優しさに満ちていた。
細くしなやかな指が、少女の栗色の髪を優しく梳いていく。
(超気持ちよさそうです…)
あまりにも気持ちよさそうなその表情に、絹旗も少し少女が羨ましく思える。
やがて、少女をひとしきり撫でた男が絹旗に視線を向ける。
「悪いなこンな時間までうちのチビに付き合わせちまって」
「いえいえ、好きでやってることですしね。それにこれが私のお仕事でもありますから」
「そォか。お前も大変だよな。まだガキなのに、ガキの世話なんてしないと…」
「成人してます!!超成人してますから!!いつもながら超失礼ですよね一方通行」
顔を赤くして怒りを訴える絹旗を小馬鹿にするように一方通行が口元をゆがめる。
先ほどまで少女に見せていた柔らかい表情など最初から絹旗の幻影か何かだとでも嘲笑うように。
「かかかか、安い挑発に乗ってるようじゃあまだまだだなァ〜絹旗センセイ?」
「うぎぃ〜〜!!なんて保護者ですか!!」
「うぎぃ〜、うぎぃ〜」
「もう!ホラ、超真似しちゃったじゃないですか!!」
「それは俺じゃなくてお前のせいだろォ。なァ?」
「ねー」
一方通行に促されるように少女が頷く。
分が悪いことなど今更論ずるまでもないことに絹旗は今更ながらに気づく。
この少女が一方通行の味方につかない筈がないのだ。溜息を吐いた絹旗の頭を不意にぽんぽんと叩く感触がした。
はっと顔をあげると、いたずらっぽく笑う一方通行の顔があった。
思ったよりも近い距離に、頬が赤く染まる。
もっとも、夕暮れ時、すべてが赤く染まるこの時間帯にそれはうまく紛れることとなったのだが。
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