過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」
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808: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/03/04(金) 00:23:58.84 ID:aFMkGtcL0
折角美味しい料理を出すお店に連れて来たのに、散々イライラする程メニューと睨めっこし、パスタとサラダとくれば正直ガックリと来てしまう。
能力を持たない一般人であろうと、複雑な演算を行うことが出来る能力者であろうとも、このイライラするような時間は変わらない。
カロリー計算を頭の中であれこれと巡らせているのであろうことは一方通行にもよくわかるのだが、そこまで長考すべきことなのだろうかというのが本音だ。
知り合いの中でそういったことを些末なものだと切り捨てているかのようにバンバンと高カロリーのものを頼む女と言えば、美琴と目の前の絹旗くらいだろう。
もっとも、単純に太らない体質なのかもしれないが。
(それにしてもまァ…こんなガキ臭ェモンよく食べられるモンだ……あ〜あ、ソースまで付けやがって馬鹿が…)
何が嬉しいんだかと一方通行は絹旗を無遠慮に眺める。
美味しそうにハンバーガーを頬張る彼女とぱたりと目が合う。
「……何じっと見てるんですか…超いやらしいです…私の唇がそんなに目を引きますか?」
「何言ってるンですかァ〜ちびっ子センセイが。園児に混ざっても違和感無いモアイちゃんがよ」
「最愛です!さ・い・あ・い。貴方のせいでモアイって言う子がいるんですよ」
「良かったじゃねェか。仲良くなれて。対等の関係って素敵じゃねェのか」
「それはナメられてるって言うんですよ!」
「どうどうどう。落ち着けって。ソース付いてンぞ」
唇の端のテリヤキの甘いソースを指で取ってやる。
そのままペロッと舐めると、甘いタレの味が舌の上に広がる。
「うェ…甘…」
みたらし団子のようなタレをつけた肉なんてよく食べられるものだと、一方通行は口直しにポテトを摘む。
「コレが人気一位って……どンだけ甘党が多いンだ?」
「………」
「ン?どォしたンだよブス面して」
「………別にぃぃ〜〜っていうか、ブス面って何ですか。超失礼極まりないんですけど」
不貞腐れた顔で絹旗はオレンジジュースを啜る。
普段であれば真っ赤になって照れているところだが、バレンタインデーの時のことを佐天から聞いているだけに素直に喜べない。
一方通行にとっては、佐天の口に付いたチョコレートを舐めてやるのも、絹旗の口に付いたソースを舐めてやるのも大差ない。
想のほっぺたに付いたご飯粒を取ってやることの延長線なのだ。
それを知っているだけに、嬉しいはずの行為が腹立たしくすらある。
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