過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」
1- 20
856: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/03/06(日) 22:16:38.18 ID:eJSstRhK0









「うう〜〜超気持ち悪いです……」

「飲み過ぎだ馬鹿」


ソファーに沈む込むように座る絹旗の額に手を当てる。
能力で大分アルコールを分解したとは言え、完全に吸収してしまったものは如何ともしがたい。
やってやれぬことはないが、余り人体に良いこととも言えず、結果絹旗は飲んだ直後に軽い二日酔いのように呻く羽目になった。
絹旗の隣に座る一方通行は呆れたように溜息を吐く。
いつもはこうならないように自分でセーブするのに、どうしたことか、今日の絹旗のペースは異常ともいえる。
怪訝な表情のまま、洗い物は後にするかと、内心うんざりしながらテーブルの上にあるスケッチブックに気付く。
閉じられているものの、記憶にある配置とは違う。何よりも、ページを閉じる為のリボンがおかしい。
拙い結び方のせいでゆるゆるだったはずのリボンがしっかりと結んであったのだ。想はまだこんなにきっちりと結ぶことは出来ない。

一方通行の視線の先に気付いたのか、絹旗が赤い顔でにへらと笑う。


「えへへへへ〜〜超見ちゃいました〜〜〜」

「ハァ……今更見るもクソもねェだろ。お前ンところで描いたモンなンだからよ」

「そんなことありませんよ。超書き下ろし満載の豪華な一冊です」


何がおかしいのか、絹旗がけらけらと笑う。


「可愛いですね〜〜一方通行の髪なんか、塗らなくてもいいのにわざわざ白でちゃんと塗ってあって。打ち止めちゃんと番外さんには超笑ってしまいました」

「アイツ等いつもいじめやがンだよ。別に陰湿ってわけじゃねェンだけどよ。昔なンか何回泣かされてたか……」

「その度に想ちゃんは貴方のところに超泣きついてたんじゃないですか?」

「正解。つーか、想も学習したのかアイツ等が来ると俺の膝の上から降りねェンだよ……仕方がねェけど」




「顔……超キモイです……」
「あァ?」

「超ニヤケてるって言ってるんですよ、超々キモイです。仕方が無いとか言いながら超嬉しそうです超キモイ」

「………テメェ……ほっぽり出すぞ……」

「フン、やれるもんでしたらどうぞ〜〜〜」


ごろんとソファーに寝転がる絹旗を横目に、「性質悪ィ……」と呟くだけで、一方通行は何もしない。


一方通行は傍らに置いていた空きかけたワインをグラスに注ぐと、黙々と飲み始める。
色白の肌は鮮やかに染まっているものの、口調も瞳も絹旗とは異なり些かもぶれていない。
ワインを飲む微かな音だけがリビングの沈黙の中を転がる。不思議と気まずくはない。
アルコールで赤らんだ頬をクッションに乗せながら、うっすらと潤んだ瞳を細めて絹旗は一方通行の横顔を見る。
その視線に気付いたのか、グラスに口付けながら、紅い瞳が絹旗を見る。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/454.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice