過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」
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943:彼女がぱっつんになった理由[saga]
2011/03/10(木) 21:51:00.31 ID:URvLCU7D0
作りすぎたシチューはとりあえず三人の夕食に当てようと思い、一方通行は美琴の部屋に向かう。
サンダルを突っ掛けて、隣の部屋のインターフォンを鳴らす。
以前、これを鳴らさずに開けてしまい、お風呂上りの美琴の姿を見てしまったことがあった。
その日はお互い気まずくて、暫く目を合わせる事が出来なかった。
その教訓を生かし、インターフォンに指をかけようとしたところで、タイミングよくドアが開く。
「おわッ」
「一方通行ァァ……」
勢い良く開けられたドアにぶつかりそうになりながら、咄嗟に後ろに下がる一方通行。
出てきたのは、母親を連想させるようなシャツに黒いパンツルックの美琴。
彼女は一方通行の顔を見るなりホッとしたように眉を下げる。
「丁度良いタイミングじゃねェか。お前ら飯まだだろォ」
「それどころじゃないのよぉぉ」
情けない声をあげる美琴に一方通行の眉が不審に寄せられる。そういえば、彼女の娘の姿が見当たらない。
普段であれば、レーダーでも付いているように、美琴よりも先に一方通行を出迎えるのは彼女の、想の役目だ。
美琴の様子に異変を察知した一方通行の顔が鋭くなる。
「想に何があった?」
張り詰めた空気の中、美琴がゆっくりと頷く。
鼓動が早くなる。
一方通行の背筋を冷たい汗が滑り落ちる。
美琴の瞳に薄っすらと涙の膜が張っていることが、事態が急を要するのだという事を彼にひしひしと伝えてくる。
如何なる事態に直面しようとも、冷静さを失うまいと覚悟を決め、美琴の肩に手を軽く乗せるとリビングに足を運ぶ。
リビングに一歩足を踏み入れると同時に、視界に捉えたものに、一方通行の瞳が僅かに見開かれる。
「コレは……ッ」
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