過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」
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948:彼女がぱっつんになった理由[saga]
2011/03/10(木) 21:55:43.09 ID:URvLCU7D0
「あァ〜〜想のヤツ、一体何処に行っちまったンだろうなァ〜〜」
わざとらしいまでにわざとらしい大根芝居。
それでも、幼い少女には十分効果的で、毛布の塊はピクリと動く。しかし、毛布は意地でも顔を出すものかとばかりにコロンと丸まったま動かない。
普段、嘗ての打ち止めも真っ青なまでに、弾丸タックルを敢行してはぴとりと子犬のようにくっ付いてくるこの少女が顔を出さない。
自惚れではなく、事実として、一方通行は相当にこれは怒ってる、いや、拗ねているなと呆れる。
普段ならば、自分が探してる素振りをするだけで走ってくるのだ。
いつの間にか、自分の隣に座って不安そうな顔の美琴をちらりと見る。
ぎゅっと服の裾を掴む指先が震えているあたり、相当ショックなのだろう。
溜息が零れる。
世話の焼ける親子だ。
「あ〜あ、残念だなァァ〜〜折角想と買い物に行こうと思ってたのによォォ〜〜」
ぴくりと毛布が動く。
「ラビ太郎のヌイグルミ買いに行こうかな〜って思ってたンだけどなァァ〜〜」
もぞもぞと毛布が蠢く。
「でも、いねェンじゃあしょうがねェかァ〜〜」
心なしか毛布の塊から、焦っているような気配が滲む。
それを横目で確認していた一方通行は、最後の一押しをする。
「………じゃあ、今日は帰るかァ」
わざと音を立てて、立ち上がろうとする一方通行の服を、毛布から伸びた小さな手がぎゅっと掴んだ。
「ンンン?」
わざとらしく不思議そうな声を上げる。
毛布はしばらくじっと固まっていたかと思うと、やがて、カンガルーの赤ん坊が顔を覗かせるように、ぴょこんと形の良い頭が現れた。
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