3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/26(水) 20:51:37.86 ID:bG1sEn+D0
どれくらいの時間が経っただろうか。
静寂に包まれた部室は、時間も音も世界中の何もかもが吸い込まれたかのように静まり返っていた。
自分が情けなかった。
律を怪我させてしまったのは他の誰でもない、私なのだ。
律に一生残る傷跡をつけてしまったら私はどう償えばいいのだろう。
律・・・。
「・・・おちゃん。澪ちゃん!」
ハッと我に返る。
「ムギ・・・?」
振り返ると片付けを終えたムギがいつものように微笑んでいた。
「とりあえず座ろ。ね?」
「・・・うん」
ムギに誘われるまま自分の席に座る。紅茶の湯気はもう立っていなかった。
「ムギ、私・・・。私!」
ムギに対して何を言えばいいのだろう。
私はムギに何かを言って欲しかったのだろうか。
言葉を紡ごうとした私の唇に優しく人差し指をあて、
「りっちゃんなら大丈夫よ」
パチリとウインクをしてみせた。
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