42:601[saga sage]
2011/02/05(土) 04:45:30.78 ID:LTP9GJ+Q0
「…あの、おじょうさま」
「なぁにぃ?」
「これは、なんですか?」
「だいほんー」
手にした分厚い本に記された内容に、絶句する幼女。
対するもうひとりの幼女は、にこにこと嬉しそうに微笑んでいる。
「あの…これ、ひゃくさんじゅうにちめまであるんですけど…」
「あ、あとにさつあるから、さんびゃくろくじゅうごにちぶんあるよ?」
「………」
くらり、とめまいがした。
お金持ちのお嬢様って、ほんとうに何を考えているかわからない。
「…こういうことを、したいんですか?」
「うーうん、したいんじゃないよぉ、されたいんだよぉ。だってわたし、どえむだもん」
「そーいうもんだいでは…」
「えー。じゃあしてくれないのー?」
幼女…お嬢様は、ものすごく不満げにほっぺたをふくらます。
そのあどけない表情と、本の内容とはあまりに不釣合いである。
「…しませんよ。できませんよ。しようにんがおじょうさまにしていいことじゃないですよ」
「ちぇー…だめかぁ、じゃあしょうがないなぁ」
丁重にお断りをしたら、あっさりと引き下がられた。
ああ、ちゃんと話せばわかってくれるんだなぁ、とほっと胸を撫で下ろし――
バチンッ。
「あ…――――え?」
「じゃあ、いいよぉ。わたしが、するほうになるから。わたし、どえむだけど、どえすもいけるんだよ?」
暗転する視界の向こうで、にっこりとほほえむお嬢様。
…どさり、と自分の身体が崩れ落ちる音が、せかいのおわる音に聞こえたとか。
ばっどえんど。終わる。
122Res/121.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。