51:>>1[saga]
2011/02/09(水) 15:48:50.78 ID:qcaIjUyv0
――八月十五日
この日は早めに起きた
昨日は女の子の死体をマユが発見したので、布団にくるまって
ガタガタ震えていたため、正確には眠れなかったというようなことは、
今更だが嘘である。
あのあと、僕とマユはまるで街頭ボランティアを見かけただけかのように、
普通にホテルに帰って夕食を済ませた。
レストランではまーちゃんが「あーん」と言って僕の口に
自分の嫌いなものをわんこ蕎麦よろしく運んで来たため、僕はお腹いっぱい食べる
ことができた。これで心の欠けてる分を埋めれたはず、嘘とわざわざいうほどでもないけど。
そして、部屋に帰ると、マユは僕の腕に爪を食い込ませたまま、ベッドに倒れこんだ。
もちろん、僕も巻き込まれる形となる。しかし、余程疲れていたのか、マユはそのまま
眠ってしまったのであった。
おそらく午前中起きてこないのは確定事項だろう、たぶん。
なので、僕は午前中は学園都市に来た目的のひとつに力を入れることにした。
ほとんど動かなくなった右腕の治療である。
僕一人で生きていくためには別にこのままだろうと構わないんだけど、
まーちゃんのみーくんであり続けるためには、やはり動いてくれていたほうがいい。
今日はとりあえず、見てもらうだけにすることにした。
一応、マユが僕の帰りより前に起きたときのために置き手紙をしておく。
僕の妻は恐いほどに心配性なんで。
ホテルを出ると昨日のように熱が体に染みこんでくるのを感じた。
学園都市には科学の発達した都市らしいのかどうかはわからないが、風車が立っている。
あれが扇風機だったらなぁ。
そんなことになれば、きっと毎日台風気分だ。
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