過去ログ - 侍「なぜ俺の家に童女が……」 幼女「ムニャ……」
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256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/21(月) 21:26:19.79 ID:y3bh/LA9o

 ……話はそれから十年後にとびます。
 川のせせらぎが聞こえる場所へ。

 ぱしゃぱしゃぱしゃ……

 水の上を小石が跳ねます。
 夜の暗闇の中に、その音だけが聞こえます。

「なーご」

 猫の声。
 その隣に立つ人影。小石を投げた者。

「……」

 娘です。
 長い黒髪を風になびかせ、そこに姿勢よく立っていました。

「あれからだいぶですね。十年でしたか」

 唐突につぶやかれたそれは、彼女の背後に忍び寄った影に向けられたものであったようで。

「……」

 暗いその影は、人か否か。

「十年。短くありません。それでもあなたはわたしを狙い続けていたのですね」
「……」

 影は答えませんでしたが、それはわざとというよりも本当に言葉を解していないかのようでした。
 娘はため息をついて振り返ります。
 光を失った鬼がそこに。輝く白刃をぶら下げて。

「……かわいそうに。もう、あなたを生かしているのはその憎悪だけ」
「……」
「わたしが終わらせましょう。全てを」

 引き抜かれた刃は冷たく、そして鋭く。

 ちりぃぃぃん……



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