過去ログ - 紬「アイスの棒で?」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/02(水) 02:51:29.94 ID:xCJ53iVR0
 そんな暑い夏の日、クラスメートの一人が体育の授業中に具合を悪くした。
 すぐさま担当の先生がその子を木陰に連れて行き介抱した。
 すると、それを見ていた何人かの子達が、同じように気分が悪いという理由で先生の元へ行き、それから木陰へと向かった。

「なにあの子達、ずるーい! 絶対に仮病だよ!」

「この暑さじゃ仕方ないよ。正直のところ、純も羨ましいんじゃないの?」

「あ、バレました?」

「まったく」

「でもこの暑さじゃ仕方ないよ。梓ちゃんも羨ましかったりして」

「わ、私は別に……むぅ」

 放課後アイスを貪る私には、純を責める権利も、憂に反論する権利もなかった。
 何気なく、木陰の女子の群れを見た。地面から昇る陽炎越しに、一箇所に固まっている姿が見える。
 なにも、離れて涼めばいいものを……と、半ば呆れながら眺めていると、次第に遠くからザワザワとした落ち着かない雰囲気が漂ってきた。
 最初、木陰に入った子達が涼しさに情けない声を上げているのかと思ったのだけど、どうやらそうではないらしい。
 なにやら様子がおかしかった。

「ねえ、何か向こう騒がしくない?」

「えっ? あ、ホントだ」

「どうしたんだろうね」

 ゆっくりと外周を走りながら徐々に木陰に近づくにつれ、そのざわめきが大きくなっていった。


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