38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/02(水) 05:26:07.75 ID:xCJ53iVR0
「じゃあ、ガリガリ君は当分止めにするわね」
「うん」
「……本当にいいのね?」
「いいよ、別に」
「そう……わかったわ」
ムギ先輩がこちらを見た。
何とも言えない表情で、けれど何かやり遂げた風な笑みが口元に浮かんでいた。
けど、果たしてそんなことで、唯先輩の凶行を止めることができるのだろうか。
私はムギ先輩の行動に大した意味があるとも思えず、何となく唯先輩を見た。
「ガリガリ君なら家でも食べられるしね」
……。
唯先輩と別れた後、携帯が鳴った。
律先輩からだ。
「もしもし」
『今、時間大丈夫か?』
「えっ、あ、はい。まだ外なんですけど、大丈夫です。それで、どうしたんですか?」
『ちょっと今から学校に戻ってきてくれないか?』
はっ? と拍子の抜けた声と心の声が重なる。
しかし、すぐに、その理由がわかった。
「唯先輩の事ですか?」
電話先の無言が、律先輩の肯定を表していた。
ひょっとして、他の先輩方も部室に残っているのだろうか。電話の向こうから、澪先輩の心配そうな声が聞こえた気がした。
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