69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 03:34:25.60 ID:NOUrG0Tf0
翌日、教室へ行く途中で律先輩に止められた。
「昨日、どうだった?」
「どうもこうも、途中で唯先輩が帰ってきて大変だったんですよ!? もう、どうして引き止めてくれなかったんですか?」
「わるいわるい。いやさあ、本当はムギがアイスティーとお菓子を用意して時間稼ぎするつもりだったんだけど」
普通に練習をするという発想はなかったのか。
ダメだ、この部長。
「お茶葉を切らしてたみたいでな。それで仕方なく、解散ということに」
「練習してくださいよ、練習! もうっ」
「まあ、そう怒るなって。その分、ちゃんとした収穫もあったんだから」
「収穫?」
そうそう、収穫で思い出したけど、私の得た確信を先輩達にも伝えておかないといけないな。
でもその前に、律先輩の話を聞いておこう。
「唯が帰った後、ほらこの前立てた作戦の段取りをしてたんだ」
「シミュレーションですか?」
「そ。梓がメインとは言え、こっちもしっかり打ち合わせしておこうと思ってさ。そしたら、偶然、ムギが……その、本格的にヤバいものを見つけた」
「何ですか?」
「……あー、なんだ。その、直接見てもらったほうが早いと思う。まだ朝のHRまで時間があるだろ? 一緒に部室に来てくれ」
なんだろう。律先輩の表情がぎこちなくなって、そわそわと落ち着かなくなってきた。
ぎゅっと胸を締め付けられるような、嫌な予感。一体、何度目になるかわからないけれど、またそれがやってきた。
私は律先輩の言葉に従い、かばんを携えたまま、部室に向かった。
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