過去ログ - 紬「アイスの棒で?」
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70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 03:39:45.12 ID:NOUrG0Tf0
 部室は朝の静けさに包まれていた。
 それよりも、そのヤバいものとは一体どこにあるのだろうか。ヤバいものとは一体何なのか。
 律先輩が無言のまま、どんどん先へ進んでいく。

「あ、あの律先輩?」

 律先輩はちょうど皆の机の前で止まった。そして、手でツーっと机の縁をなぞりながら、反対側へと移る。
 そこは唯先輩の定位置。

「こっちこっち」
 
 早鐘を打つように心臓が脈打つ。そういえば……さっきから妙な違和感がある。何か大事なものを忘れているような、変な感じ。
 それが何なのかを理解する前に、私の思考は律先輩の言葉にによって中断された。
 
「ほら、これ」

 律先輩の方へ歩を進める。いやだいやだと思いつつも、気がつくと足が前に出ている。
 そして、私も唯先輩の席の前へやってきた。相変わらず、頭の中から違和感は消えない。
 それでも、律先輩は、ほら早くと私を急かす。
 律先輩の人差し指が、机の中を指していた。

「早く」

「はい」

 中を覗き込むと、

「……こ、これ」

 セミの死骸。
 そして、アイスの棒。


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