80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:30:06.54 ID:NOUrG0Tf0
あんなにきちんと作戦を立てたのに。
それを狂人唯先輩に? もう何をしでかすかわからないというのに、よりにもよって、私抜きで。
『唯ちゃん何も知らない感じで部活に来て……それで、トンちゃんはどうしたの?、ってりっちゃんに尋ねたの』
「……」
『そしたらりっちゃんが……キレたっていうのかしら、今まで見たことのない怒った表情で。唯ちゃんの頬を――』
その役目をどうして私に譲ってくれなかったんですか。
どうして私の役目を。律先輩、なんて身勝手なんですか。
『唯ちゃん、泣いちゃった。私と澪ちゃんはどうしていいかわからなくて、りっちゃんが唯ちゃんに全部話すのをただ見てることしかできなかった』
「……話したんですか」
『ええ。皆、最初から唯ちゃんが犯人だと疑っていたし、知っていたって。全部、話してたわ。りっちゃん、泣いてたわ』
電話から聞こえるムギ先輩の声は震えていた。
私もその光景を想像し、ぼんやりする頭で先輩達の心境を察しようと努めた。無理だったけど。
『……唯ちゃん、それっきり黙っちゃって……何も言わず、けれど、泣くのをピタリとやめて……すごく、怖かった』
「そうですか」
『皆、唯ちゃんの様子に怖くなって、それ以上責めるのをやめたわ……唯ちゃんも何も言わずに部室を出て行ったし。ねえ梓ちゃん』
「はい」
『これでよかったのかしら……? 私達、何か間違った事してないわよね……?』
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