86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:33:35.58 ID:NOUrG0Tf0
浴室の扉の前に立つと、シャワーの音が聞こえてきた。
私も服を脱ぎ、それからスカートのポケットに手を入れる。指先に触れる冷たい感触があった。
結局、家に戻ってくるなら別に持ち歩かなくてもよかったのかも。まあ、これはいわゆる気分ってやつかもしれない。
あるいは……覚悟、かな。あはは。
「唯先輩、入りますよ」
「っ!? う、うん、はやくあずにゃんも入っておいで〜……」
「あの」
「えっ? なにか言った、あずにゃん?」
「恥ずかしいので、ちょっと向こうを向いててもらえませんか? その……心の準備が出来たら言いますから」
「あずにゃん、照れ屋だね」
すりガラスの向こうに、おぼろげな後姿を確認すると、私は二重にした軍手の上からゴム手袋をはめた。
ごわごわする。手をニギニギして、しっかり弦をつかめるか確かめると、ゆっくりとドアを開けた。
「まだ見ちゃダメですよ」
「……うん」
「私……今、すごいドキドキしてます」
「わ、私もだよあずにゃん」
きれいな背中だなぁ……思わず、そこに憂の姿を重ね、見とれてしまった。
「……唯先輩」
左手でボディソープを掴み、床にぶちまける。
そして、両の手に弦を巻きつけ、ピンと引っ張ってみた。よし、準備OK。
あとはこれを唯先輩の首の前にかけて、力いっぱい引けば。
終わる。
104Res/99.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。