90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:51:28.69 ID:NOUrG0Tf0
もし唯先輩の言っていることが本当だとすれば、トンボ以降に作られた墓は皆、ムギ先輩の仕業という事になる。
そして……トンちゃんを殺したのも。
でも、そんなことってあり得るの? だってあのムギ先輩だよ? あの……何にでも興味を示すムギ先輩が。
とにかく、私は一旦考えるのをやめ、学校へと急いだ。
……。
ガチャ。
「ハァ……はぁ……せ、せんぱい……」
ドアを開けて入ってみると、ムワっとしたこもった熱気が襲ってきた。
締め切った部屋。もうみんな帰ってしまったのでは? とも思ったが、だったらなぜ施錠されていないという疑問。
「……せ、せんぱい……いないんです、か……?」
息を整えつつ、先に進む。
心臓が口から出そうだ。
「っ!?」
本当に心臓が口から出そうになった。
オルガンの後ろに、ムギ先輩が座り込んでこちらをジッと見つめていたのだ。
「ム、ムギ先輩……?」
「あら、梓ちゃん? どうしたの?」
「あ、その……えっと……」
「唯ちゃんとは上手くいった?」
どことなく疲れている様子のムギ先輩。
ふんわりとしたウェーブのかかった長い髪を揺らし、ゆっくりと立ち上がった。
喉が渇く。上手く言葉が出てこないことが、理由のわからない焦燥をかりたてる。
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