95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:27:08.98 ID:NOUrG0Tf0
……。
……。
……。
……。
……。
……。
「ムギちゃん……」
割れた窓ガラス。遠くから聞こえてくる生徒の悲鳴、慌しい先生たちの声。
私は唯先輩の肩を借り、よろよろと立ち上がった。
見たくなかったけど、唯先輩の横に並び、恐る恐る窓から身を乗り出してみる。
「……」
「ムギちゃんが……ううっ」
あり得ない方向に曲がった白い足。あり得ない方向に曲がった色白の腕。
見る見るうちに広がっていく、赤い血だまり。
私は、倒れるようにして吐いた。
ヒクヒクと胃が痙攣を始め、食べたものを洗いざらい外に出す。
視界が滲み、けれど、吐瀉物の上に落ちる自身の鼻血はしっかりと見えた。また吐く。
「……ムギちゃん……ぐすっ……ムギちゃん……」
唯先輩の嗚咽が聞こえる。
私はこみ上げる吐き気で顔を上げて少ししか確認出来なかったが、唯先輩はとても泣いているようには見えなかった。
それどころか、窓を見下ろす唯先輩の口元は不気味に持ち上がって、奇妙な笑顔を作っていた。
「……っ……ゆ、ゆいせんぱい……?」
「あずにゃん……ひぐっ……ムギちゃん、死んじゃったかなぁ……?」
「……えっ?」
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