57: ◆V8UyFaPsi2[saga sage]
2011/02/03(木) 17:07:16.72 ID:26HSSYhZ0
エルフ「…………」
男「ねーちゃん、見とれてたでしょ」
エルフ「み、見とれてなんかないわよ」
男「……ねーちゃん、男の人にあんなに優しくされたの初めてだもん、しかたないよ……」
エルフ「…………ええ、そうね」
瞳を閉じれば、生まれてから今までその身に受けた仕打ち、全てが鮮明に思い出される。
どれもこれも、自身がハーフエルフであるのを良いことに好き放題にされてしまった、忌々しい記憶だ。
幸いなのは早期に奴隷扱いになったがために操を守りきれていることか。
しかし、鞭打ちや食事を与えられなかったこと、乱暴に扱われたことなど、やはり酷い扱いを受けていたことに変わりはない。
エルフ「……あの人は、信用できるのかな……」
男「それは、ねーちゃん次第だよ」
エルフ「……そうね」
ぎこちない笑みや、顔を晒す事への恐怖。
鎧の彼――騎士の言葉を聞いて、少女は少しだけ、彼を信用できるかもしれないと思った。
いや、信用してみたい――と、思った。
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