945:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/10(木) 20:17:05.98 ID:Vt07mZDBo
普段から凶相の一方通行の表情は、ここまでのストレスと疲労で更にえらいことになっており、
病的なまでの色白さも相まって、彼が夜の校舎を一人で徘徊している姿は相当恐ろしい物になっている。
彼を脅かすために待機していた妹達がその姿にビビって動けなくなっている程だ。
そんなわけで、彼もまた極めて順調に目的地に向かって歩を進めていた。
しかし、ストレートで目的地前まで辿りついたAグループとは違い、彼の快進撃はそう長くは続かなかった。
一方通行(……なンだ?)
二階へと続く階段の前で、不意に何かよくないモノの気配を感じた一方通行は足を止める。
キョロキョロと辺りを見回してみるが何もいない。では気のせいか、と言うとそういうわけでもなさそうで
階段に近付くにつれ、正体不明の悪寒はどんどんと広がっていった。
トクン、と自分の心臓が少しだけ跳ね上がるのを感じた彼は、目を細め舌打ちをする。
一方通行(ハッ、馬鹿馬鹿しい、何を恐れてンだ俺は……
大方、階段に何か仕掛けてあるンだろォがそンなもン気にしてられねェ
階段登らなきゃ目的地に着かねェンだ、さっさと行ってこンな企画終わらせてやンよ)
そう考えるのだが、どうしても一歩が踏み出せない。
しかし『恐れている』というのは少々違う。『この先に進むな』と脳が告げているのだ。
数々の修羅場を潜ってきた彼の本能が、身体が、階段を登ることを拒否していた。
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