過去ログ - 【まったり】まったりけいおん!SS書いていくスレ【していけよ】
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2011/05/19(木) 19:48:53.16 ID:Aqqr+ASTo
「あ、あずにゃん、リボンが解けてるよ」
音楽室の長方形のテーブル。
前にいた唯先輩から声をかけられる。
「あ」
確かに言われた通り、制服のリボンが解けていた。
「じゃあ、結びなおしますね」
新学期早々とはいえ、何度も練習をしたから手順は万全だ。
と、結び直そうとした手を止める暖かな手。
「律先輩?」
にんまりと、面白いものを見つけましたと言わんばかりの笑顔で、私のリボンを見つめながら、
「まあまて、ここは先輩たちに任せろ」
その言葉に、ムギ先輩と唯先輩が目を輝かせた。
三人の姿に澪先輩はため息をついて。
「梓ができるって言ってるんだからいいじゃないか」
さすがに冷静である。
しかし、
「とか何とか言っちゃって、本当はできないんだろ?」
律先輩が意地の悪そうな笑みを浮かべて、澪先輩へ挑発を始める。
ああ、これは私がいじられる流れだな。
「な、なにを言うんだ! そんなわけない! 梓、じっとしてて、私が結んでやるから」
律先輩が計画通りと言わんばかりに、唇を上げ、こちらを見た。
そして蚊帳の外に行った唯先輩たちは唐突にジャンケンを始めた。澪先輩の成功確率が低いと見たのか、それとも仮に成功しても解いてもう一回という流れか。
後者ならとても面倒くさい流れだな、と思います。
「き、緊張するな」
白い手が私の胸元に伸びてきて、リボンを手に取る。
緊張で手が大変にふるえていた。
普段だったら簡単にできるんだろうけど、こうも硬くなっていると不安が残る。
「あ」
澪先輩が声を漏らす。
リボンは見るも無惨なただの固結びになっていた。
それを見て唯先輩が目を輝かせる。
どうやらジャンケン勝負は唯先輩の勝利で幕を閉じたらしい。視界の端でしょんぼりしているムギ先輩と目があった。
「ふんす!」
唯先輩は意味の通らない声を上げ、意気揚々と私のリボンに手を伸ばし、そのまま固まった。
ゆるゆるとした表情がだんだんと悲しげに歪められて、涙腺が決壊。
「よく考えたら人のリボンを結んであげたことはないよぉ」
そろそろ棒のように突っ立っているのも疲れたので、自分でさっさと直すことを決意すると、ムギ先輩がそろそろと近づいてきて、リボンをぱぱぱと直す。
なんて言う早業。
「私、ヒトのリボンを直すのが夢だったの!」
夢が叶ってよかったですね
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