過去ログ - 兄「お兄ちゃん大好き……(裏声)」
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198:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[saga]
2011/05/24(火) 03:05:08.56 ID:mqSos6Ggo


山村「ふぅん……女の子がプチ行方不明……」

 妙に用意周到な悪戯に、悔しがりながらも俺は占い師の事を山村さんに話した。
 教室以外の場所に居た彼女ならではの、何かを見ていないかと思っての事だ。

山村「残念ながら、保健室は変わりなかったよ」

兄「そうか。……ああ、そういやすっかり忘れてた。具合はもう良いのか?」

山村「兄君、女の子にそれは酷いよ」

兄「……あんな悪戯する位だから、言うまでもなく元気か」

山村「まあ、そうなんだけどね」

 にしても、手掛かり無しか。
 顎に手を当て、ややうつむく。
 どうだ、探偵っぽいだろう?

山村「どうしたの兄君、急にどや顔して」

兄「いや……。事件の結末をだな……あれやこれや」

山村「こういう時は基本に戻るんだよ。最後に見たのは何時?」

 最後に見たのは……風呂に入ってる時、とは言えないよな。
 
兄「学校には来てるらしい。その後、遠田が鞄を没収した。俺に分かるのはそこまで」

山村「だったら簡単だよ。遠田先生を探せば良いんじゃない?」

兄「ああ……でも、生活指導室には居なかった」

 二人そろって黙り考え込む。
 ややあってから、山村さんが口を開いた。
 
山村「じゃあさ、職員室で聞いてみようよ。遠田先生がどこにいるのか」

兄「そうだな……」

 山村さんが仮病だったんじゃないかと思えるほど軽快な動きでベッドから降りる。

山村「ほら、行くよ兄君」

兄「ああ……」

 俺はこの時、場違いな事を思った。
 にっ、と笑った山村さんは、『美人』ではなく、どこにでもいるような女の子だと。
 何言ってるか、良く分からないだろう。俺もそうだからな。



山村「体育の授業をしてる?」

教師「ああ、そうだよ」

 ねちっこい笑みだな。
 その仮面の下に隠したつもりの劣情がはみ出てやがる。
 こんな美人が相手じゃ仕方ないのか?
 と言うか、遠田は体育の教師だったのか。知らなかったぞ。

兄「その割に占い師が戻って来ないのはおかしいな」

教師「さあな? 先生は知らないぞ」

 こいつ……相手を見てやがるな。
 仕方ねえ。最終手段だ。
 俺は山村さんの背後に回り、頭を隠す。


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