過去ログ - 兄「お兄ちゃん大好き……(裏声)」
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910:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/17(日) 15:20:18.67 ID:xYJugbJuo
必死の抵抗を続けたが、それも虚しく、私は巨漢達のアジトまで拉致された。
見た目は普通の一軒家だった。
玄関前で、両手両足を縛られ、口にはガムテープを張られた。
その状態で、大きな袋に入れられる。
担ぎ上げられ、中へ入る。
室内の様子は分からないが、複数の声が聞こえた。全員男の様だった。
「グフフフ! サンタさんから女体のプレゼントだぁ!」
私を担いでいた巨漢が声高に告げ、私は袋ごと床に置かれた。
「はあ? 俺らはもう女なんかに興味なんてねぇんだよ! 復讐に生きるんだ!」
「まあまあ、中身はともかく、せっかく用意してくれたんだ、開けてみようぜ」
開けなくて良いから、帰しなさいよ!
袋の外で騒ぐ男達の勝手な言い草に、腹が立った。
今の私には、それを言葉にする事すら出来ない。
ゆっくりと、袋の口が開かれる。
私の顔があらわになると、周囲の男達は歓声をあげた。
「うぉぉ! 本物じゃないか!」
「女体だ! 女体だぞ!! 女体か!?」
「アホか、この顔で男だったら……いや、それはそれでありだな……」
巨漢が私の身体を持ち上げて袋から出した。
ソファに転がされた私を覗き込む、いやらしい笑みの男達。
復讐に生きるだとか言っていた癖に、いざ女の子を目の前にすると気変わりしているようだ。
だからモテないのよ!
いや、そんな事はどうでも良い。いよいよエロ漫画まっしぐらじゃない!
駄目よ、そんなの! 私は巨乳系清純派ヒロインとして――
どうにもならない現実に対して、意識を逸らし始めた時だった。
ヒヒーンと馬の鳴き声を真似た探偵さんの声が響いた。
「クリスマスだから白馬仕様だ! 感謝すると良い!」
私と男達が一切に窓辺へ視線を向けた。
白い馬面のマスクを被った探偵さんが、そこに立っていた。
馬面は微妙にずれていて、斜め上の辺りをじっと見つめている。
私は、安堵すると同時に、複雑な気持ちになった。
人生最大の危機をこの変な格好の探偵さんに助けられるのかと思うと、もうちょっと、何とかならなかったのかと。
助けが来ただけ、ありがたみを感じるべきなのだろうけど。
なんて事を考えている内に、探偵さんは次々、男達を蹴散らした。
あの大男ですら、あっさりと撃沈させた。
「この町の正義は、この『馬面・ザ・マスク』が守る!」
苦悶のうめき声をあげて床に倒れた男を踏みつけながら、探偵さんが妙なポーズを決めた。
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