過去ログ - ヴェント「私の背中はアンタに預ける」
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[saga]
2011/03/15(火) 11:28:27.10 ID:Bv5yjycDO
何秒、何分、何十分、何時間が経過しただろう。
燃え盛っていた火炎も鎮火して無風無音の静寂の中、麦野沈利は何をする訳でもなく、ボーっと無気力に立っていた。
天を仰ぎ、原子崩しで穴が空いた工場の天井から顔を覗かせる夜空を無言で見詰めて。
僅かに憂いを帯びる顔色は、彼女の心情の片鱗でしか過ぎなくて。
言い表せない感情が、心の中で渦巻くのを抑えきれなくて。
「アハ、ハハハ……アッハッハッハッ!」
顔を手のひらで隠し、隙間を抜くように声が漏れる。
笑いは、狂笑へと変わる。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
どうしようもない程の蟠りが声となった。
笑いたくて嗤いたくて嘲いたくて仕方なかった。
泣きたくて哭きたくて亡きたくて仕方なかった。
掻き毟りたい程堪らなかった。
喉が枯れる程耐えられなかった。
……もう、どうしたいのか、解らなかった。
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