過去ログ - ヴェント「私の背中はアンタに預ける」
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[saga]
2011/04/05(火) 09:40:48.99 ID:BZDrqByDO
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日は流れ、宿の生活も一週間が経つ。そして、
「……うん。傷は完治してる。明日には帰れるね」
オッレルスが上条にそう告げたのは、凡そ一時間前。
夕飯を済ませ、風呂から上がった所で、彼は明言。
心の奥から沸き上がる嬉しさと、この生活が無くなる寂しさの半々と言う遣る瀬無い感情に囚われつつも、今夜最後の宿での睡眠を取るため自室に向かう上条。
「ここで間違えてヴェントの部屋に入ったのもまた良い思い出、かな〜」
鼻歌でも言い出しそうな上機嫌で、自室の扉を開ける。
―――月夜が映し出す、ベッドに腰掛ける女性。
「ヴェント……?」
背景に満月を挿頭す。
夜光を浴びて、闇に佇む。
身体を覆う月光は、まるで衣のよう。
彼女は声に気付いたのか、窓から覗かせる満月から自分へ顔を向ける。
視線が交差して数秒後―――ヴェントは、優しく『微笑んだ』。
上条当麻。
宿生活最大の、幻想とぶつかる事になる。
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