過去ログ - ヴェント「私の背中はアンタに預ける」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/11(金) 08:08:51.77 ID:+oy27w/DO

一方のヴェントは去る様子を目で追うだけで、何も言葉を発しない。
アックアが居なくなった後も、暫く彼女は微動だにせず、凍結していた。音もしない場所で、ヴェントは視線を移し天窓を一点に見つめる。

天窓の縁には小鳥。空の長旅に疲れて休憩中なのだろうか。チュンチュンとさえずる鳴き声が窓越しにヴェントへ伝わる。


「……ったく」


ボソッと今日一番の重い溜息。
誰に語り掛ける訳でもなく、彼女は蟠りを晴らす手段を選ぶかのように漏らした。
彼女がアックアに対し何故応じなかったか。去り際のアックアに言葉を投げ掛けなかったか。

アックアが語った言動が―――あの忌々しい上条当麻に似ていて、重なってしまったから。

思念した瞬間、身の毛が弥立ち反吐が出た。おそらく今自分の顔を鏡で見たら、苦虫を噛み潰したような表情をしているだろう。


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