過去ログ - 面接官「えーと、次の方…ちっ、なんだ無能力者か」 佐天「…」
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59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/02/21(月) 00:01:03.61 ID:RhcjpUT30
「映画館を出て駅に向かって歩き出そうとしたら、初春がこれから人に会うって言い出したんです。」

ゆっくりと話は進み、いよいよ核心に辿りついた。

「時間も遅かったし今から人に会うなんて、と不思議に思いました
 けど、声をかける間もなく反対方向に歩き出しちゃったからそこで別れることになったんです。」

言い終えた佐天さんが長らく触れなかったコップに手を伸ばしお茶を口に含んだ。
私は聞き出したその情報と今までの捜査でわかっていたことを照らし合わせる。

初春の人間関係に特筆すべきものは何一つなかった。
会社の人ともうまく接していた様で、恨みを買うようなこともなかったらしい。
元々他人を怒らせたり不快にさせるような人間ではないし、当然のことだった。
現場が人気のない路地裏ということからも合わせて、私は通り魔による犯行だと考えていた。

しかし初春は直前に誰かと会っていたらしい。
彼女の携帯電話からはそのような約束をしていた痕跡はなかったのに、だ。
なにか複雑な事情がこの事件にはあるに違いない。

「白井さん、いいですか。」

思考にふけり、黙ったまま何も行動を起こさない私に声がかけられる。
慌てて謝ろうと口を開こうとすると、それよりも先に言葉が続けられた。

「お願いがあるんです。私を事件の現場に連れていってくれませんか。」

一瞬彼女が何を言っているのかが分からなかった。
困惑する私に対して、彼女の視線がとても力強く突き刺さっていた。


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