過去ログ - 面接官「えーと、次の方…ちっ、なんだ無能力者か」 佐天「…」
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66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/02/25(金) 23:41:23.21 ID:UjkL0R930
携帯のライトで照らすことで明るさは確保できたが、重く冷たい空気までは取り払うことができなかった。
その空気を吸い込んだせいで、前来たときと全く同じ不快感が胸の中に湧き上がる。
私が何かを言う前に佐天さんはある地点を目指して歩き出していた。
彼女が目指す先の地面には、言われなければ気づかないようなシミがある。
そのシミは私が見たときよりもだいぶ薄くなっていたが、一際重たい空気が溢れでているのは相変わらずだった。

しゃがみこんだ佐天さんは、シミの上にそっと手をおいた。
小さく丸った背中からは怒りとも悲しみとも言えない感情が読み取れる。

「・・・。」

聞こえてきたのは嗚咽の音だった。
思わず私にまで感情の揺らぎが伝わってきそうになるほど、その声は胸に響いた。
佐天さんの震える肩をみて、意を決したように彼女の元へと歩き出す。

ほんの小さな違和感が私の歩みを止めたのは、佐天さんまであと一歩という時だった。


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