319:おまけ特別編:とある余談の貯古齢糖 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/02/14(月) 14:02:36.17 ID:xGjJaIpI0
インデックス「それにして意外だよね。パーパが料理できる男だったなんて」
ディアボロ「『一人暮らし』…と言うよりも『一人だけで居る生活』が長かったからな」
ディアボロ「たまにある有閑を持てあました時の手慰みとして覚えたのだ」
ディアボロ「と、言ってもドルチェ(お菓子)なんぞ作った事は無いが…」
ディアボロ「何、お前の監督役ぐらいは出来ん事も無い」
ディアボロの『ドルチェ』と言う言葉に反応し、呼ばれたと思ったのか、
居間の方から一匹の猫がトコトコと歩いて来る。
『ブリティッシュショートヘア』という品種がベースの雑種で、
黒と白の2色の毛並みを持ち、青い瞳をした3歳のオス猫であり、
紆余曲折あって上条邸で飼われる『カメ』に続く2匹目の人外の同居人。
彼の名は『ドルチ』。命名者はディアボロである。
ディアボロ「ん?ああ…すまん。お前を呼んだ訳ではない」
ディアボロ「危ないから、ベッドで寝ててくれ」
ドルチ「………」
そんなディアボロの言葉を理解した訳でもあるまいに、
ドルチは『ニャー』とも言わずにトコトコと居間へと戻って行って、
ベッドの上にぴょんと飛び乗ると、そのまま丸くなってしまう。
ディアボロ「………」
この愛想の無い『ヴォイスレスキャット』は、
びっくりするほど頭が良く、時々、こっちの言葉が解ってるんじゃないかと思う事がある。
それほど性格が悪い訳ではないのだが、時々得体の知れない所があるヤツだ。
ディアボロ「…まあイイ。今は『ドルチ』はともかくだ」
ディアボロ「準備が済んだ以上、さっさと始めるとしよう」
ディアボロ「上条が帰って来るまでに仕上げねばならんからな」
インデックス「はいッ!なんだよ!」
そんな事はさておき、2人はキッチンで何やら作り始めた。
『食う方』は兎も角、『作る方』はからきしだった筈のインデックスが、
ディアボロのアシスタントがあるとは言え、自ら何かを料理を作るとは…
―――その理由は、今日の日付にある。
―――今日は『2月14日』
―――古に一人の『聖人』が殉教し
―――お菓子会社の陰謀で甘ったるい砂糖とカカオの匂いが街にあふれる様になった
―――『恋人達』の甘い甘いお祭りの日であった
1002Res/320.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。