603:『究極生物編』:第5話 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/02/15(火) 21:02:14.66 ID:8GXP6+Za0
今の御坂は絶望の真黒なオーラを纏い、
顔色は血の気が完全に引いて紙の様になっている。
御坂美琴は『元気な少女』。時にはそれ行き過ぎて『ガサツ』ですらあるが、
何時も明朗快活で、自分への自信に満ち溢れた表情をしている少女だ。
その御坂が、これほどまでに『負』や『絶望』を感じさせる表情をしている所を見るのは、
ジャイロも初めての事であった。
ジャイロ「―――何かあったみたいだな?」
ジャイロ「まあ、とにかく上がれよ」
御坂「………」
ジャイロに促され、御坂は依然無言かつ俯いたままだが、
それでも、靴を脱いで部屋の中へと入ってきた。
ジャイロ「(門限にウルサい、常盤台の女学生がこんな夜中に…)」
ジャイロ「(こんな表情で…しかもそれが『学園都市』でも『7人』しかいない『超能力者』の1人…)」
ジャイロ「(全く…一体、どんな面倒事が飛び出すやら…)」
ジャイロ「(もっとも―――――)」
ジャイロは、チラリと背後の、
自分に付いて部屋へと入ってきている御坂を見て、
ジャイロ「(カワイイ馬鹿弟子が、こんな顔してんのはホッとけんよなぁ〜)」
そんな事を考えつつ、頭をポリポリと掻いた。
御坂「――――」
ジャイロに促されて、ソファーに座り込んだ御坂だが、
依然、無言のまま、俯いたままでいる。
一体、何があったかは知らないが、
あの『御坂美琴』をここまで追い込む事態とは…
やはり、とんでもない何かに、この少女は巻き込まれたと言うのだろうか。
ジャイロ「―――ちょっと待ってろ」
そう言って御坂をソファーで待たせると、
ジャイロは流し台の上の戸棚の扉を開けて、
何かのビンを取り出すと、蓋を開けて、グラスに注いで持って来る。
グラスの中身は水の様に透明で、透き通っているが、
水面から仄かに立ち昇る芳香が、それが水である事を否定している。
ジャイロ「ほれ、飲め」
そう言ってジャイロは、グラスを御坂の方へと差し出して来る。
それを見て御坂は、今日、ジャイロの部屋へと来てから初めて口を開いた。
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