230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2012/04/02(月) 15:22:05.47 ID:Pxe4ovWZ0
「ううん、何でもない」
「そうですか?」
「うん、大丈夫」
「なら、良かった」
私を見詰める先生の眼差しは、優しく優しく、どこまでも優しくて、決してそ
こには、恋というものに付き物の、一種の熱であるとか、欲であるとか、荒々
しさなんてものは欠片も存在しないのだということを、私は嫌でも思い知る。
「じゃあ、いってきます」
受け取ったハンカチを仕舞って、先生が言う。
「いってらっしゃい」
私も挨拶を返す。
開いたドアが閉じて、特徴的な下駄の音が遠ざかるまで、私はそこに立っていた。
時刻は八時十分。こうして今日も、一日が始まる。
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