過去ログ - 幼女「そこのおとこ!ちょっとやらせなさい!」
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◆t7gfNpKsyE
[saga sage]
2011/03/30(水) 20:46:48.11 ID:ZZSuQS/r0
暑い。暑い夏のことだった。
庭からは虫が煩く鳴く声。
部屋の中では時計がコチコチと時間を刻む音。
部屋の外から見ればいつも通り――いつも通りの夜。
だけど、中では決定的に違うことが起きている夜。
寝苦しくて、最悪の夜。
僕の価値観を根こそぎひっくり返した運命の夜。
浅い眠りについていた僕は、首筋に違和感を感じて目を覚ました。
体中にまとわり付くねっとりとした感覚は、湿気や僕の汗だけによるものだろうか。
それとも、僕の首を絞めている誰かの悪意が形になったものだろうか。
分からない。
何だろう。僕の身を覆う不快感は、
誰だろう。僕を殺そうとしている人は。
首を絞められていても僕は冷静。短い人生だけれど、身の危険で慌てたことなんて一度も無い。
強盗?通り魔?殺し屋?変態?幽霊?悪魔?死神?
10歳にも満たない僕の知識では、それくらいの想像が限界だった。
少し怖いけど、目を明けて、誰が首を絞めているのかを確認しよう。
幽霊や死神でなければ、ぶっ飛ばしてやる。今まで僕はケンカで負けたことなんて無いんだ。
「―――!!」
僕が目を開けると、犯人は声にならない声を上げた。
そして僕は全てを理解した。
僕を殺そうとしている相手も、どうして殺そうとするのかも、何もかも。
彼女が思い切り締め付けているであろう腕は、ぷるぷると震えている。その腕に僕は右手を伸ばし、軽く握る。
「ひぃっ。ど、どうして!!」
彼女は何と言おうとしたのだろう。
どうして目を覚ましたの?だろうか。それとも、どうして生きてるの?だろうか。
僕には、どちらの疑問にも、答える術を持っていない。
だから、素直にこう言った。
「分からないよ。お母さん」
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