132: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/03(木) 22:31:28.98 ID:Qa7CywZDo
「強いて言うならば、妹……でしょうか、とミサカはお姉様の問いに答えます」
単調に、そう告げる。
仕事熱心な秘書の業務連絡でも、もう少し感情がこもっているだろう。
まるで機械のような、無感情な声。
かと言って、機械のような無機質な音声ではない。人間の、肉声。
上条はそのギャップに痛烈な違和感を感じていた。
「妹、って………おい、御坂? 生き別れの双子とか、そんな昼ドラ的ドロドロ展開に発展したりしねぇだろうな?」
「………昼ドラくらいで済んだら良かったかもね」
「は?」
上条の問いかけに答えるように、美琴の口から言葉が漏れる。
蚊の鳴くような声で放たれたその言葉は、上条の耳に届く前に霧散する。
「ゴメン……今日はこのまま帰って」
「お、おい」
「ちょろっと、『妹』と話ししたいからさ」
「御坂………」
思いつめたような彼女の表情に、上条は固まる。
「お願い。今は何も聞かないで」
そこまでいうと、彼女は上条に背を向けて『妹』の方へと歩いていく。
『ちょっとおいで』とだけ言い、強引に彼女は自分とそっくりな少女を引っ張って行った。
「………………」
何も出来なかった。
何も言えなかった。
(なんなんだよ、一体)
何が起こっているのかも飲み込めないまま、上条は二人の背中を見送った。
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