141: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/08(火) 20:17:45.94 ID:hplLs8wro
「お姉様が何処まで知っているかは分かりませんが」
喋れなくなった美琴に代わるようにして、無表情の少女が口を開く。
淡々と抑揚のない声が、美琴の耳へと届く。
「ミサカはお姉様の……『超電磁砲』の体細胞クローン、『妹達』ですよ、とミサカは素直に白状します」
「っ!?」
美琴の顔が苦痛に歪む。
自分そっくりの少女自身から放たれてしまった言葉。
それは『噂』が『真実』である事を、何よりも確実に証明していた。
証拠も、証言も、全てが目の前に揃っていた。
「な、なんで……」
「実験に参加する為、としか答えようがありません」
「実験って、人間のクローンなんか使って……何をしようとしてんのよ?」
美琴は少女の胸ぐらをつかむ。
ガクガクと震える膝に精一杯の力を入れる。
気を抜くと崩れ落ちてしまいそうだった。
この先に、目の前の少女の、自分のクローンの言う言葉に、希望があるとは思えない。
どのような言葉が紡がれようとも。
それが如何に綺麗な話であっても。
「クローン技術なんか使ってまで、レベル5を量産するなんて……馬鹿げてるわよ」
「いいえ、そうではありません。ミサカの能力はせいぜいレベル2程です、とミサカはお姉様の足元にも及ばない事を告白します」
レベル2といえば、日常生活で役に立つか否かとされる程度の力。
当然、レベル5たる『超電磁砲』とは雲泥の差がある。
オリジナルの1%にも満たない、完全なる劣化版でしかない。
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