143: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/08(火) 20:19:11.49 ID:hplLs8wro
(………これはなかなか強敵ね)
相手が少しでも人間的な反応を示してくれていれば、付け入る隙があるかもしれない。
(それなら―――)
掴んだ胸ぐらを引き寄せる。
額と額がぶつかりそうなくらいの距離。
焦点の合わない、何も映していないような瞳の奥から少しでも何かを探るように、美琴は睨みつける。
「…………」
「はぁ………力づくでも、って言いたいところだけど」
大きく溜息をつき、彼女はその手から力を抜いた。
ミサカは、美琴から逃げようとすらしない。
「仕方ない、か」
美琴は手をひらひらとさせる。
ミサカに、どこか行けとでも言うように。
「悪いけど、後ろつけさせてもらうわ。………どうせ、アンタは研究施設に帰るんだろうし、そこに首謀者なり制作者なりいるでしょう?」
ミサカは何も答えなかった。
言葉でも、態度でも、表情でも、何の反応すら示さなかった。
言外に好きにしろと言わんばかりの態度だった。
もしかすると『追跡を拒否する』ことは指示されていないのかもしれない。
(まさか、とは思ってたけどね……)
前を歩く背中を見る。
目の前に本物が現れでもしなかったら、信じることなんて出来なかっただろう。
現に、見て会話まで交わした今でも半信半疑なくらいだ。
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