148: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/08(火) 20:26:10.75 ID:hplLs8wro
日もとっぷりと暮れ、照明に照らされたベンチに、見た目そっくりの少女が二人腰掛けている。
妙に艶やかになったミサカの隣で、美琴はうだーっと背もたれに身体を預けている。
「疲れた」
「すっかり夜になってしまいましたね」
「帰っていくとこまでついてって、作った奴らボッコボコにしてやろうと思ってたんだけど。アンタ、一体いつになったら帰んのよ?」
「それについてなのですが……ミサカは今日は帰りませんよ」
さも今、思いだしたかのように、少しだけ上を向いてミサカが答える。
その様子は『そう言えば』と言う言葉が似合いそうな仕草だったが、表情は普段通りのフラット過ぎるものだ。
「はぁ?」
「ですから、お姉様がミサカについてきたとしても、ミサカの製造者には会えません」
「……もっと早く言って欲しかったわね」
はぁ、と大きく溜息をつく。
どこぞのツンツン頭の高校生ならば、『不幸だぁぁぁぁ!』とでも言っただろうか。
「お姉様にご迷惑をおかけしたことは素直に謝罪します」
「まぁ、謝られるほどの事じゃないけど、そういう大事なことは初めに言って欲しかったわよね……まぁ、私が勝手にしたことだしアンタが悪いわけじゃないんだけどさ」
美琴は苦笑いを浮かべ、頭をかく。
無駄足、とは言わないがまさかこんなどんでん返しがあるとは、と言ったところだろうか。
「ですが―――」
美琴がミサカの顔を見ると、そこには少しだけ不安そうな表情をした彼女がいた。
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