150: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/08(火) 20:30:28.36 ID:hplLs8wro
(だけど……)
「また、ね」
小さくこぼす。
ささやかな抵抗だった。納得できない自分への、ほんの少しの抗い。
「………さようなら、お姉様」
「さようなら、って……また会うかもしれないでしょ?」
「………………」
「今度会ったときは、もうちょっと良い物奢ったげる」
目の前にいる『自分』に、笑ってみせる。
力ない笑顔だった。
無理矢理な笑みだった。
自分のクローンというモノの存在。
納得はできない。理解も出来ない。妥協も出来ない。
それでも、どこか放っておけないような、そんな気分だった。
「今までの事を鑑みるに、お姉様とミサカが再会する可能性は低いと思われますが?」
「こういうときは、『またね』って言っとくもんなのよ」
こんなのが自分のクローンなのか、と思うと少し複雑な気分にはなる。
性格や人格は成長環境にあるとはいえ、もう少しどうにかならなかったのかと。
「あ、そうだ……」
茫然としているミサカのサマーセーターの裾を引っ張り、ポケットに入れっぱなしだったバッチをそこへあしらう。
「何をされてるんですか?」
「プレゼントよプレゼント……よし!」
美琴は数歩後ろへと下がり、彼女の全身を見る。
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