163: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/18(金) 16:59:19.98 ID:Cbu5Hl4Uo
白井の言葉を聞き終わらないうちに、上条は通話を終わらせる。
次に会った時が面倒かもしれないが、今は考えないでおく。
(と、なると……どういうことだ?)
まさに振り出しに戻る、だった。
少なくとも、美琴には常盤台中学に在籍している妹はいない。
だったら、先程現れたもう一人の美琴は一体誰なのだろうか。
「………直接、聞いてみるしかねぇか?」
ぼそり、と呟く。
二人の美琴が何処にいるかは分からない。
まだ一緒にいるのかも分からない。
(さっき連絡先を交換しそびれたのは痛かったな)
役に立たない携帯をポケットにしまう。
美琴を探そうと、ベッドから身体を起こしたところで、上条はふと動きを止める。
ここから先は興味本位で踏み込む事を許される話じゃない。
「でも……」
思いつめたような美琴の横顔を思い出し、上条は部屋を飛び出した。
(あの顔させたまま、放っておいちゃダメだろ)
彼女の相談役になれるとは言わない。
彼女の隣に立てるとも言わない。
ただ、彼女の居場所を作ってやるくらいはしたかった。
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