過去ログ - 一方通行「お前……上条か?」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/16(水) 22:36:09.03 ID:yiTG7ZAso

「ははっ……んなこと言って、お前も寂しいんじゃねぇかよ」

「あァ?」

 黒髪の子供も笑う。
 白い子供とは違った、屈託のない笑顔。

「じゃぁ、涙ぐらい隠しとけよ」

「ンなっ!? 馬鹿言ってンじゃねェ、泣いてなンかねェよ」

 バッ! と音がするくらいの速度で、白髪の子は背を向ける。
 そんな様子がおかしいのか、黒髪の子はにこにこと笑っていた。

「似合わないついでじゃないけど……これ、持って行ってくれ」

 黒髪の子がポケットから小さな包みを取り出す。
 別れ際のプレゼントだろうか。
 小さなそれを白いの子の手にしっかりと握らせる。

「ハッ……転校くらいで大袈裟なンだよ。会えなくなるわけじゃねェだろうが」

 照れくさそうな顔に、ほんの少しの嬉しそうな色を混ぜて、白い子はその包みを開く。


 中から出てきたのは―――


「お前、意味分かってやってンのか?」

「意味? いや、目に付いたからだけど」

「そォかよ」

 少しだけ残念そうな顔を秘めて、白い子はそれをポケットにしまった。

「君達……そろそろいいかな?」

 横から飛んできた男性の声で、二人は離れる。
 名残惜しそうな顔で、白い子は踵を返す。

「じゃァな」

「おう」

「次に、会う時はよォ……」

「ん?」

 白髪の子供は、一瞬迷ったような表情を作ると、その口元を歪める。

「いいや……なンでもねェ」

 そう言って、白い子は周りを大人達に囲まれて、駅へと消えて行った。
 黒髪の子を一人、その場に残して。



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