過去ログ - 一方通行「お前……上条か?」
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206: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/04/28(木) 19:20:44.65 ID:HSlJpMPJo



「見つかんねぇ……」

 息を切らし、上条は足を止める。
 あれからどれだけ走ったかは上条にも分からなかったが、少なくとも美琴に繋がりそうなものさえ見つかっていなかった。

「どこ行ったんだよ、、アイツ……」

 『他の学区まで遊びに行ってるとかいう絶対見つけられません』的なイベントじゃねぇだろうな、と少し考える。
 そうなってしまえば、いくらなんでも見つけ出すのは無理だ。
 学園都市全域を捜索するには、一人では文字通り人手が足りない。
 猫の手どころか、足も借りたい気分になる。
 なんとか息を整えつつ、上条は携帯を開く。
 時刻はちょうど午後九時になったところだった。

「……寮に帰ってるかも知んねぇな」

 時刻的にも門限を過ぎている。
 寮に戻っていたとしたら、上条がいくら外を走っても見つかることはない。

「くそ……」

 携帯をポケットに戻し、上条が軽く舌打ちしたときだった。
 シュンッ、という独特の音と共に、常盤台の制服を着た女生徒が現れる。

「おわっ!?」

「? あら、上条さんですの」

 突如現れた彼女、白井黒子は『またお前か』とでも言いたげな、呆れたような顔で溜息をつく。

「あんまり夜中に走り回っていては怪しまれますわよ?」

「風紀委員とはいえ、お前には言われたくはないんだけどな……」



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