219: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/05/08(日) 18:15:02.62 ID:sFSCz0pbo
限界だった。
ぷちん、と美琴は自分の中で何かが切れるような音を聞いた。
それとほぼ同時、前髪から纏っていた閃光が槍となって放たれる。
理性と言うリミッターを外したそれは、その辺のスキルアウトを追い払うのに使うレベルの威力ではない。
美琴自身、滅多なことがなければ使うことのない出力だった。
ガァンッ! と爆発にも似た音が響き、一方通行に当たった雷撃の槍が四方八方へと撒き散らされる。
「っ!?」
白い煙の向こうから現れるのは、それよりも白い一人の人間。
両手をポケットに突っこんだまま、少年は真っ直ぐに立っていた。
「くっ、ああああああああああああああ!!」
美琴の周りに黒い竜巻が起こる。
磁力を用いた砂鉄による竜巻。
巨大な刃と化したそれは、一方通行を取り囲むようにして舞う。
「さすがはレベル5ともなると、そこの乱造品とは違ェってかァ?」
取り囲んでいた黒い刃が一方通行の身体を襲う。
前後左右どころか、上下にも逃げ場のないその攻撃は確実に一方通行の身体を捉えていたはずだった。
だが。
磁力での制御を受け、美琴によってコントロールされているはずの砂鉄は、一方通行の身体に触れるか触れないかの瞬間、その進行方向を真逆へと変える。
まるでそこに一枚の壁でもあるかのように、一方通行の身体には一粒たりとも砂鉄が触れることはない。
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