30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/17(木) 20:44:52.07 ID:rSTy2L/Wo
第一章 お子様なお嬢様 Misaka_Mikoto.
1
「上条ちゃん、聞いてますかー?」
「………え?」
上条が我に返ったとき、すぐ目の前には頬を膨らませた小萌先生の顔があった。
「え!? あ、はい、なんでございませうか?」
「はぁ……上条ちゃんくらいの年になると、悩み事もいっぱいあるとは思うのですが、授業中はしっかり話を聞いて欲しいのですよー?」
眉をハの字にし、小萌先生は呆れたように茫然としている上条の顔を見る。
背中に冷たいものが流れるのを感じながら、上条はごくりと唾を飲んだ。
「今回は大目に見ますが、次あったらコロンブスの卵ですよ?」
「うぇ……」
「上条ちゃんはもともと単位が足りないので、すけすけ見る見るは絶対ですよー。どの道最後まで居残りなのです」
「………不幸だ」
小萌先生の容赦のない言葉に、上条は額を机につけるようにへなへなと身体を崩す。
冷えた天板が心地よく感じられ、このまま眠りにつきたいと思ってしまう。
(それやると……流石の小萌先生もキレちまうな)
よっこいしょ、と身体を起こす。
鼻歌を歌いながら黒板に文字を書いていく彼女の背中に微笑ましいものを感じながら、上条は机に置いたノートを開いた。
「いやいや、羨ましいで、カミやん」
「何が言いたいんだよ、テメェは」
やれやれと、肩をすくめ、上条は小萌先生からすぐ近くにいる青髪ピアスへと視線を移す。
先生との身長差でいうとどれくらいの差かは考えたくもないが、彼もまた邪気のない笑みを浮かべていた。
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