31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/17(木) 20:45:27.82 ID:rSTy2L/Wo
「小萌ちゃんとマンツーマンで補習とか、ボクやったら飛びつくねんけど」
「もしかして変態さんですか?」
ニコニコと気持ち悪い笑みを浮かべる青髪ピアスを白い目で見る。
彼はそんな上条の視線を気にす事もなくクネクネと身体を捩っていたりするのだが。
「いやぁ、あないなお子様に責められながら無理難題に立ち向かうなんて最高にハァハァするやん?」
「ロリコンな上にドMでド変態さんでしたねっ! ったく、救いようもねぇじゃねぇか」
休み時間であれば問答無用で殴り飛ばしているところではある。
先程、釘を刺された以上、これ以上彼女を怒らせてはどうなるか分かったものではない。
ドMでロリコンで変態な青髪ピアスはともかく、ノーマル――だと上条は思っている――である自分にとっては死活問題だ。
「せやからぁ、ボクは寧ろナマ居残り喰らいたいんやけど、カミやんも一緒に――」
「テメェ一人で行きやがれ! 残念ながら上条さんはそんな地獄一周ツアーに喜んで参加するような性癖は持ち合わせてないんです!」
「そぉか、じゃぁなカミやん。代わりに一個聞いてもええ?」
「なんだよ……」
急にニヤニヤ笑いを殺して妙に真剣な顔になった青髪ピアスに、上条は恐怖さえ覚える。
「その首から下げてる指輪みたいなん……それなんなん? 今までそないなんつけてへんかったやん」
上条の首から下がっている細いチェーンの先には、白い指輪が付いている。
それほど高いものではないらしく、パッと見では玩具のようだった。
「あぁ、コレか? ちょっと昔を思い出してな」
「離れ離れになった幼馴染の女の子と交換した結婚指輪……にしては安モンみたいやけど」
「うっせぇ! なんでもかんでも女の子にすんじゃねぇよ!」
青髪ピアスの言葉を否定するかのように、上条は黒板の方へと視線を戻す。
その視線の先には、背伸びをして板書していたはずの小萌先生。顔だけこちらに向けて、優しく微笑んでいる。
何も口には出さないが、明らかに何か言いたげであった。
(め、目が笑ってねぇ……)
気まずい空気の中唾を飲み込み、上条は目線だけで続きを促す。
理解してくれたのか、自己完結したのかは分からないが、小萌先生はその表情のまま黒板に向き直ると、何事もなかったように板書を再開した。
(あぁ……こりゃマズいな)
上条は溜息をつく。
今日も帰りは遅くなりそうだ、と内心諦めモードに移行した上条は顔を俯けるのだった。
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