32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/17(木) 20:46:05.46 ID:rSTy2L/Wo
「オイオイ、こんな昼間っから実験たァこっちの都合はお構いなしですかァ?」
昼だというのに薄暗い廃墟の中で、挑発的な声が飛ぶ。
「学校には行っていないと聞いています」
対するは一人の少女。
顔は見えない。
感情の困っていないような淡々とした声が奥の暗がりから帰ってくる。
「まァ、俺の最強への道の犠牲になってくれてるっつゥンだから文句も言えねェけどよ」
赤い瞳が少女を捕らえる。
「そろそろ飽きてこねェか?」
「一方通行をレベル6へと進化させるには二万通りの実験が必要で―――」
「ンなこたァ理解してる。毎度毎度、オマエが俺にぶっ殺されるってだけの『カンタンナオシゴト』ってやつだ」
「では、そろそろ時間ですので」
少女は鞄からマシンガンを取り出す。
そのか弱い姿に似合わない装備にも、一方通行は驚かない。
より好戦的な、挑発めいた笑みを浮かべるだけ。
ガガガガガガガッ! というモーター音が響き、マシンガンが火を吹く。
雨霰のように射出された弾丸が、一方通行の身体に直撃した直後だった。
少女の持っていたマシンガンが爆発し、一方通行を直撃したはずの弾丸の雨は少女へと降り注いでいた。
「ホントに学習する気あンのかよ? そンなオモチャじゃァ俺の『反射』の壁は越えられねェ事くらい、とうの昔に証明されただろォが」
一方通行は溜息をつく。
「くっ……」
苦痛に顔を歪め、少女は一方通行から逃れるようにバックステップする。
「なンだなンだァ? 愉快にワルツを踊りませンか、なンて洒落こンでる場合じゃねェことくらいテメェの脳でも分かってンだろうがよォ」
地面を蹴る。
弾丸のような速度で飛び出した一方通行が少女の首を掴む。
「チェックメイトだなァ、三下」
ぐしゃり、と。肉が潰れるような音と共に、鉄の匂いが広がった。
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