329: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:28:51.80 ID:e3d7NYMPo
上条の言葉は淡泊だった。
感情すらこもってないのではないかというような、冷たいものだった。
「お前の、鈴科の意思はどうなのか、って聞いてんだ」
上条の言葉が一方通行へと突き刺さっていく。
ひとつ、またひとつとつ。
一方通行はブンブンと首を振る。
聞きたくないと、煩わしいと言わんばかりに。
「うおおおおあああああああああああああァァァァァァァァァァ!!」
ゴッ、と。竜巻のような突風が吹き荒れる。
突き刺さっていたレールも、コンテナも全てが吹き飛ぶような突風だった。
「ぐ……あがっ!?」
それは、簡単に上条を持ちあげると、その身体を容赦なく地面へと叩きつける。
ゴギ、という鈍い音がし、上条の口の中に血の味が広がった。
「俺の意思なンてもンはもう関係ねェ! 必要なのは俺じゃねェ……『一方通行』だ。能力以外に価値のねェ人間が、その能力を捨てられると思ってンのか?」
一方通行が地面を蹴る。物理法則も、人間の常識をも無視した速度。
一直線に上条の元へと飛んで行く。
「くっ……」
砂利の敷かれた地面を転がり、その勢いで立ち上がる。
次の瞬間には、一方通行の足蹴りがさっきまで転がっていた場所へと突き刺さった。
ビリビリと地面が揺れ、小石が撒き散らされる。
「があああああァァァァァァァァァァ!!
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