過去ログ - 一方通行「お前……上条か?」
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54: ◆XtjOmDyc46[saga sage]
2011/02/19(土) 20:10:14.78 ID:qw7dATgRo

「ねぇ、アンタ………超電磁砲って、知ってる?」

 ニヤリ、と。
 彼女の口元が不気味に歪む。

「超……電磁砲」

 出力にして十億ボルト。
 電子どころか磁力さえも自在に操る最強の『電撃使い』にして、学園都市の第三位。
 三二万八五七一分の一の能力。

「無能力者が束になってかかってきたところで、返り討ちにしてやるわよ」

 いとも簡単に、そう告げる。
 確かに彼女ほどの力があれば、自分の身を守ることくらいは朝飯前だろう。

「ついでと言っちゃなんだけど、私も一つ気になってんのよね」

 そう言って、彼女はさっきまでの余裕のある表情を一変させる。
 初めに上条に邪魔だと言ったときのような、不満げな顔。

「…………アンタ、なんて能力なわけ?」

「能力って………俺はレベル0の無能力者なんだけど」

「冗談は程々にしておくことね」

 ピシャリ、と彼女が言い放つ。

「その右手……どういうことか説明してもらえるかしら?」

 彼女の視線が、上条の右手へと集まる。
 何の変哲もないように見える、少しばかりがっしりとした右手。

「その周りだけ電磁波が掻き消されてんのよ……しかも、ご丁寧に『私から出たものだけ』ってのが皮肉よね」

 携帯電話の分は綺麗に残ってんのに、と彼女は続ける。
 電子線や磁力線まで視えるという『電撃使い』の少女の目は、上条の右手の周りの異常を捉えていた。
 そこだけポッカリと空いた空間。
 一色に塗られた絵の一部分だけを切り取ったような。
 白い部屋の中心に置かれた、黒いテーブルのような。



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