91: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/02/23(水) 19:56:35.44 ID:tiOfvahqo
「まぁ、いいわ……アンタ、今から暇?」
期待した私が馬鹿だった、とでも言わんばかりの顔で美琴はバッチをポケットに戻す。
「帰って夕飯食べて風呂入って明日の準備して寝るっていうハードスケジュールだな」
「なにそれ、日常生活と変わんないじゃん」
「明日も絶賛補習祭りでな」
上条は大きく溜息をつく。
一学期丸々分を一週間やそこらで取り戻せるとは思わないが、出なければ何を言われるか分からない。
もっとも、出席しているだけでどこまで話を聞いているかと言われると、上条自身にも分からないのだが。
「ふーん。じゃ、付き合いなさい」
有無を言わさず、美琴は上条の腕をがっしりと取る。
「ちょ、ちょっと話聞けっ」
「なに?」
強引に引っ張っていこうとする彼女の腕を振りほどく。
「明日! 明日ならどうだ?」
「………明日?」
「明日なら多分こんな遅くなんねぇし、午後くらいから時間取れると思うから………」
美琴はうーん、と頭を悩ましている。
正直、一日先延ばしにしただけで何の解決にも至ってはいない。
「………ダメか?」
「分かったわよ……明日は、逃げんじゃないわよ?」
「お、おう」
何とか納得してくれた――表情はイマイチであったが――美琴を置いて、上条は帰路へとつく。
二人とも、この時はまだ考えもしていなかった。
怒涛のような出会いが繰り広げられることになるなんて。
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