過去ログ - 9982号「あなたがミサカの…お姉様…?」 美琴「えっ…」
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96: ◆k6RW/3k7XQ
2011/06/11(土) 17:43:00.33 ID:xjw62aIX0

***


9982号が初めて目を覚ました時、9982号は培養器の中にいた。


9982号は培養器から取り出され、正常に動くかどうかを試すため身体検査を受けた。


そこで判明したこと。

それは、9982号に能力が備わっていなかったことだった。


9982「恐らく脳に何らかの障害があったのでしょう。研究員はミサカのことを失敗作だと断言はしませんでしたが、ミサカはすぐに悟りました。自分が失敗作だったということに…」


オリジナルや他のミサカと同じように発電能力が使えない。
それはミサカネットワークにも接続できないということ。


同時に、樹形図の設計者の計算通りに実験が進まないことを意味していた。


そして必要性のない9982号が向かう先、それは"処分"だった。


9982「ミサカは自分が欠陥品だと分かった以上、処分を覚悟していましたし、恐れることはありませんでした。
   むしろ実験に参加せずに生き続ける方が苦痛だと感じていました。
   妹達が次々と殺されていく中で、ミサカだけが生き残るなんて…嫌ですからね」

打ち「9982号…」

9982号は苦笑する。
打ち止めはどう受け答えればいいのか分からず、ただただ9982号を見つめるだけだった。


9982「でも――、ある研究員はミサカが処分されることを許しはしませんでした」

打ち「…?」

9982「その研究員がどういう意図でミサカの処分に反対したのかは理解できませんでしたが…」



9982「ただ一言、ミサカに言ったんです」


9982「『あなただけは、外の世界で、どうか平和に生きてほしい』と…」


9982「あの研究員がいなかったら、恐らくミサカは生きていなかったでしょう」


打ち「その人…きっと、優しい人なんだね。ってミサカはミサカはにっこりしてみる」

9982「そうですね」

打ち止めには、その研究員が9982号を助けようとした理由が、何となく理解できた気がした。


9982「まぁ結局、実験は何らかの理由で中止になり、無事一件落着と聞きましたが…」


打ち(そっか、9982号はずっとMNWに接続してなかったからあの事件を直接知っているわけじゃないんだ…)


9982号は実験が中止になったことは誰からか伝えられていた。
しかし詳しいことまでは知らされていないようだった。


八月二十一日。
一〇〇三二次実験。

学園都市に七人しかいないLEVEL5の第一位『一方通行』が、LEVEL0の『上条当麻』という少年によって倒された日だ。

それによって、絶対能力進化計画は白紙に終わり、実験素体であった妹達は解放された。





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