過去ログ - インデックス「長点上機?」一方通行「あァ?」
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976: ◆ObanGQEW7M[saga]
2011/05/29(日) 23:59:39.75 ID:/Tef1ufAO



絵画にもなりそうな表情で。
流暢に日本語を使いこなしている様を見ると、彼女が外国人ということを
忘れそうだが、寝ているときだけは違う。
高い鼻の影が落ち、長い睫毛は時折揺れる。
日差しに馴染む透明感のある肌、プラチナ色の髪。


――それを思うと、言い尽くせない罪悪感が彼の心中よりもたげてくる。


(光にたかって精神衛生を保とうとしているのは俺自身じゃねェのか)


本当に、大切な一友人として見るなら真実を打ち明けて
怖がられたとしても仕方ないと思えるはずなのに。
むしろ彼女を思うなら真理だろう。


暗部も解体し、一応の危機は去った。
――とは言え、彼の両手はもう鈍色に染まりきっている。

聖職者とはいえ許されるとは毛ほども考えてはいないし、望んでもいない。
しかし、第三者の彼女に情報も与えず騙しているのは彼だ。

“また”友が離れて行くのが怖くて、躊躇っていて。
結局は自分本位。

こうやって光に当たる人種では無いのに、と一方通行はせせら笑った。


リスナーもいないただのノイズは、暗闇に溶かされ消えていく。
そうやって彼は、しばらく静けさに包まれていた。



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