過去ログ - 御坂「トウマ……君?」蛇「学園都市……か」
1- 20
287: ◆FMYPc6cKQE[sage saga]
2011/03/04(金) 23:00:25.73 ID:QMXbsaaIo
そして、この「ミサカミコト」の病室前になる。

「君に責任があるというなら……僕にも責任があるね」
「先生?」

しばらくお互いうつむいての沈黙が過ぎて、目の前の人が口を開いた。

「あの時……君が僕に電話をくれた時、医者から治療行為を取り上げたら
簡単に私達の敵と同じになってしまうんだと言った。でもその選択は間違い
だったかもしれない」
「その選択のせいで今度は2人も、いや3人もの命を危険にさらしてしまった。
僕のワガママと言ってはなんだが、こちらとしては患者は増えたほうがいい。
が、それは間違いだったんだね」
「……先生」
「上条くん、だったね。君はまだ若いし、僕もそんなに長くはない。他人の命を
助けられても、『冥土返し』といえども僕だって寿命がある。これからは医者が少し
だけ楽になるような社会を創ってほしいんだね」

神にも逆らえるかもしれない存在が、今は単なる爺さんになっちまっていた。

「頑張ります」
「うん……期待してるよ、『戦場をかける交渉人』(ネゴシエーター)君?」

改めて言われてしまうと、なんだか照れくさいな。

「アッハハ」
「じゃあ面会していくんだね。これから僕は仕事があるんでね」
「先生……ありがとうございました」

そう言って俺は深々と頭を下げた。

「こらこら。老い先短いと言ったって、まだ過去のものにしちゃダメだね」
「えっ……?」

予想外の言葉に俺は頭を上げる。

「これからもよろしくおねがいします、だね?」
「……はい」

そう言うと、先生は静かにその場を去っていった。
――よし。心に決めたことだ。一旦深呼吸して……
俺は2、3度深呼吸して目の前にドアに向けて握りこぶしを作り、軽くドアを叩いた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
315Res/301.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice