167:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/04(金) 21:41:10.06 ID:NmiHnAw60
―初心な二人―
「あああアンタねぇ!」
「は、初めてのデートだってのに!か、彼女を20分待たすってどういう考えしてんのよっ!」
「落ち着け御坂!まだ約束の10分前だ!」
彼にたしなめられて気付く。
そうよね、まだ10分前よね!
「お、落ち着いたか?……ほら御坂」
彼が右手を出してくる。
「何よ?この手は?」
「何よってお前……」
照れたようにしながら、私とは目を合わせない彼。
チラチラと私を伺いつつ、答える。
「で、デートなんだし……その、手を、つないだりー……みたいな」
「ふぇっ!?」
「あああ、御坂が嫌だって言うのならいいけど……」
「嫌じゃない!」
引っ込めそうになった彼の右手を両手で捕まえる。
捕まえたのはいいが、どうしよう。
思わず彼の方を見る。
すると真っ赤な顔をした彼と目が合う。
「〜〜〜〜っ!!」
視線を下に逸らすと、繋いだ手が視界に入る。
私は、私でない体温に意識を集中させてしまう。
結局私たちが動き出したのはそれから10分後だった。
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